女性・若者・シニアなら創業サポート事業融資を狙え!

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創設から2年が経ち、融資案件が増えてきた「女性・若者・シニア創業サポート事業融資」についてのお話しです。
「女性・若者・シニア創業サポート事業融資」は、従来からある創業融資の代表格である、日本政策金融公庫融資、信用保証協会付融資のどちらでもない、新しい第三の創業融資制度です。

このコラムの内容
[1] 「女性・若者・シニア創業サポート事業融資」の優れる点は
[2] 「女性・若者・シニア創業サポート事業融資」が優遇されるワケ
[3] 「女性・若者・シニア創業サポート事業融資」を受けるコツ

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[1] 「女性・若者・シニア創業サポート事業融資」の優れる点は

 

「女性・若者・シニア創業サポート事業融資」は次の点が優れています。

  • 融資対象が広い
  • 融資限度額が1500万と高い
  • 返済期間が10年以内(据置期間3年以内)と長い
  • 無担保・無保証
  • 金利1%と低利

それでは具体的に見ていきましょう

 

(1)融資対象が広い
女性・若者・シニアとうたっていますがあきらめてはいけません。女性は全て、若者は39歳以下、シニアは55歳以上が対象です。 つまり、対象とならないのは40歳から54歳の男性が代表となる場合のみ、です。

また既に事業を行っていても、創業後5年未満までは対象となります。
NPO法人も含まれ対象団体も幅広くなっています。
実は対象がかなり広いのです。

対象要件

  • 女性、若者(39歳以下)、シニア(55歳以上)
  • 創業の計画がある者又は創業後5年未満の者
  • 個人事業主、株式会社、NPO法人、一般社団法人、一般財団法人
  • 東京都内に本店又は主たる事業所があること
  • 地域の需要や雇用を支える事業であること

 

(2)融資条件が良い
創業融資としての条件はかなり良好です。 創業融資の2枚看板である日本政策金融公庫融資、信用保証協会付融資と比べても全くそん色なく、むしろ金利では最も優遇されています。

無担保・無保証でかつ据置期間が他より長く、創業期には大変助かります。
融資額上限では規程上は少なく見えますが、現実的な上限は1,000万円であり他と変わりません。 むしろ実際には1,000万円を大幅に下回ることも多い信用保証協会付融資と比べると優れているといえます。

<創業融資の比較表>

項目 女性・若者・シニア創業サポート事業融資 日本政策金融公庫の中小企業経営力強化資金 信用保証協会保証付の東京都の創業融資
融資限度額 1,500万円
運転資金750万円
2,000万円 2,500万円
返済期間 10年以内 設備20年(運転7年)以内 設備10年(運転7年)以内
据置期間 3年以内 2年以内 1年以内
金利 1% 最優遇の特利Aで1.95% 創業優遇で1.3〜2.1%
保証料 無し 無し 要する
自己資金 要件無し 要件無し 要件無し
担保・保証人 無担保・無保証 無担保・無保証 無担保・社長は保証が必要
創業期間 創業から5年未満 制限無し 創業から5年未満
事業計画認証 地域創業アドバイザーへの相談及び承認が必要 経営革新等支援機関の作成関与が必要 信用保証協会による創業計画書審査

日本政策金融公庫では最も創業融資が出やすい中小企業経営力強化資金を比較対象としました。なお融資限度額、金利は、どちらも無担保による場合のものです。

 

 

[2] 「女性・若者・シニア創業サポート事業融資」が優遇されるワケ

 

それにしても、日本政策金融公庫、信用保証協会もノータッチで、無担保・無保証で金利1%の融資がどうやって成り立っているのでしょう?

その秘密は、東京都から信用金庫・信用組合に融資原資として預託金を出していることにあります。

「女性・若者・シニア創業サポート事業融資」を取り扱うのは、信用金庫や信用組合です。
信用金庫や信用組合は、貸倒リスクの高い創業融資は、信用保証協会付とするのが基本でした。
それは、貸倒となっても創業融資なら信用保証協会が代わりに全額弁済してくれるためです。

「女性・若者・シニア創業サポート事業融資」では、貸倒れとなった場合には、東京都から受け入れた預託金から全額弁済してくれます。
ですから、信用金庫や信用組合からすると、信用保証協会と同じくノーリスクで創業融資ができるのです。

金利が1%となっているのも、「女性・若者・シニア創業サポート事業」での制度の条件が1%以下と決められているからです。 ですから、各信用金庫とも1%で横並びとなってます。

ただし、信用金庫や信用組合は、預託金の範囲を超えると「女性・若者・シニア創業サポート事業融資」に消極的になります。預託金を超えて貸し倒れが起きると信用金庫や信用組合が被ることになるからです。

 

 

[3] 「女性・若者・シニア創業サポート事業融資」を受けるコツ

 

日本政策金融公庫や信用保証協会付融資と比べても有利な 「女性・若者・シニア創業サポート事業」で融資を受けるためのコツをお話します。

「女性・若者・シニア創業サポート事業融資」のコツ

  • 積極的な信用金庫や信用組合を選ぶ
  • 積極的な地域創業アドバイザーを選ぶ
  • 創業計画に地域色を出す

 

では具体的に説明します。

 

(1)積極的な信用金庫や信用組合を選ぶ

「女性・若者・シニア創業サポート事業融資」では、融資判断は信用金庫や信用組合が行います。当然、創業融資に長けたところとそうでないところがあります。 創業融資の稟議を上げてもことごとく却下する支店長もいます。

また、東京都からの預託金の範囲を超える貸倒リスクは信用金庫や信用組合に移ります。もともと創業融資に積極的だとしても、預託金の範囲を超えたからもう打ち止めにする、と消極姿勢に変わることもあります。
信用金庫や信用組合ならどこでも良いわけではないのです。

 

(2)積極的な地域創業アドバイザーを選ぶ

「女性・若者・シニア創業サポート事業融資」を受けるには地域創業アドバイザーに相談し事業計画書の承認を受けることが必要です。
注意点は、地域創業アドバイザーは、かならずしも起業や経営に特化した団体ではないということです。 事業計画書の作成を一から十まで手取り足取り指導することはありません。

 

地域創業アドバイザーに相談し事業計画書の承認を受けるまでには平均して1ヵ月ほど時間がかかるようです。 平均ですからそれ以上に時間を要する場合もあります。
創業融資では時間の浪費は大敵です。

 

地域創業アドバイザーからの承認には手間をかけないために、スピーディーな対応ができる地域創業アドバイザーにお願いすることがポイントです。さらに事業計画書の承認が早まるように外部の専門家の手を借りることも検討しましょう。

 

(3)事業計画に地域色を出す

「女性・若者・シニア創業サポート事業」は、地域に根ざした事業を応援する融資制度です。何らかの地域性が無ければなりません。

そのため、「女性・若者・シニア創業サポート事業」の事業計画書様式には、「地域連携」という項目があります。 具体的には、地域の他団体との連携や共同事業等の可能性について記載します。

しかし難しく考える必要はありません。
例えば、
× 「レストランを開く」
〇 「地元〇〇市で採れた農産物を中心に使ったレストランを開く」
と一工夫でクリアできます。
さらに上の例では、レストランの差別化にも一役買ってくれます。

 

「女性・若者・シニア創業サポート事業融資」はとても有利な制度です。
東京都で創業を検討中または創業後5年未満の方は、ぜひ狙ってください。

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