信用保証協会による保証付き融資は、民間銀行の融資を保証するというものです。
制度融資は、これに加えて民間銀行の利息を行政が補助する制度です。
制度融資は、民間銀行融資と保証協会と行政の利息補助という3階建てになっていて複雑ですが、融資をするのはあくまでも民間銀行です。
制度融資は、創業や開業に限らず、既にある会社も対象になります。
制度融資の特徴は次のとおりです
- 制度融資の利用にあたって、あっせん状が必要
- 自治体が銀行金利や保証料を補助するため、実質負担が低い
制度融資のメリットとデメリットを説明します。
1.制度融資のメリット
制度融資は、なんといっても金利が低いのがメリットです。
都道府県や市区町村などの自治体は、地域経済が活性化することを政策としています。
特に創業や開業が多くなれば、開業率が高くなり地域経済にさまざまな効果が生まれます。
制度融資の内容は、都道府県市町村それぞれ独自に定められています。
印刷業限定、繊維業限定といったそれぞれの地方に配慮した条件が付くものもあります。
基本的にその都道府県や市町村で事業を行うことが条件ですから、選択の幅は狭いです。
創業や開業であれば、これから事業地を決めるにあたって、有利な制度融資がある自治体で始めることも良いかもしれません。
まずは、各自治体のホームページで調べるか商工関係課に問合せして、具体的な制度内容を確認して下さい。
2.制度融資のデメリット
制度融資のデメリットは、構造が3階建てになっていて複雑で手続きにかなりの時間がかかることです。
制度融資の簡単な流れは、
①民間銀行で相談
②自治体であっせん状を受け取る
(経営指導を必要とする自治体も多い)
③民間銀行で融資申込み
④信用保証協会で審査
⑤融資実行
となっていますが、関係機関の中をグルグル回っている時間がとても長いのです。
とくに経営指導を必要とする場合、1回で終わらないことも多く、これだけで1ヵ月以上かかることもあります。
制度融資は時間がかかるというデメリットは、スピードを必要とする創業や開業には致命的かもしれません。
また、せっかく2ヵ月ほどかけて準備してきたのに、④信用保証協会の審査であっさり落されるケースも少なくありません。
信用保証協会の審査では、制度融資だから審査で優遇されるということは、一切ありません。
自治体も信用保証協会もそれぞれがバラバラに動いているのです。
とはいえ、テクニックを使えば、信用保証協会の審査も通りやすくなりますし、時間をかけられるならば、金利や保証料といった実質負担が小さい制度融資は創業者や開業者にはメリットです。
また創業や開業への融資は、貸倒れリスクは全て信用保証協会が引き受け、民間銀行はノーリスクです。
民間銀行には、創業や開業への融資に積極的なところもあるので、民間銀行との関係を深めておく意味でも、チャレンジする価値はあります。