「借入が済んだら直ぐに返すから、少しの間だけ貸して」
創業者や開業者が一度は頭をよぎる、いわゆる「見せ金」です。
自己資金が多いと借入は有利になることは常識ですから、自己資金を多めに見せようとする人は、ほんとうに多いです。
しかし見せ金は、簡単に見抜かれてしまいます。
見せ金の多くは、公庫に融資を申し込む3か月前以降にまとめて入金されることが多いです。
公庫は見せ金かどうか、長ければ通帳を1年前までさかのぼってチェックします。
公庫から質問されて、お金の出所を自分で用意したと証明できるでしょうか?
もし、他の通帳からまとめたといえばその通帳を見せてくださいといわれます。
株を売ったといえば、明細を見せてくださいといわれます。
通帳は見当たらない、取引明細は残していない、といった誤魔化しは通じません。
説得力のある説明できなければ、自己資金ではなく「見せ金と決め付けられます」。
一度疑いを持った公庫は、聞く耳をもたなくなります。
あなたの経歴や実績、これからの事業プランも怪しいと疑うようになります。
そして、公庫は理由も言わずに融資を断ります。
最初に創業や開業にお金を貸すのは、
信用保証協会の保証付き融資
日本政策金融公庫
の2つしかないと説明しました。
創業や開業の唯一の頼みの綱である公庫から断られると、創業や開業の夢が消えてしまいます。
一番困るのは、あなたなのです。
ですから自己資金であることを証明できるようにしていなければならないのです。
自分で貯めた資金であるならば証明は難しくないはずです。
通帳に少しずつたまっていくことが見て取れるはずですから。
誤解を受けやすいのは、大きい金額が動いている場合です。
たくさんの通帳をまとめた → まとめる前の通帳も持参します
株を売却して入金した → 株の取引明細などの書類を用意します
親・兄弟・親類からの援助 → 返済しないお金だとわかる贈与契約書を用意します
知人・友人からの出資 → 定款やお金の受け渡し記録を用意します
とにかく見せ金と誤解を受けると困るのはあなたです。
積極的に説明できようにしてください。