4 面談で失敗しないコツ

日本政策金融公庫は借入の申込みか書類提出に際して、信用保証協会は借入の実行の前に面談があります。
日本政策金融公庫、信用保証協会のどちらも提出書類によって審査の大部分は左右されますが、やはり金融機関特有の作法があります。
特に日本政策金融公庫は面談での印象が良くないと融資が断られるリスクも大いにありますから、失敗しないように心掛けと準備が必要です。

基本的な心掛け

  • 服装はスーツで。シャツは清潔に
  • 言葉遣いは明るく丁寧に
  • 質問には真摯かつ冷静に答える
  • 卑屈にならない。自信をもって答える
  • 高飛車な態度や虚勢は張らない
  • 創業計画書の通りに答え、違うことを言わない
  • 面談で聞かれることを予習しておく

明るく誠実な人は、誰からも好印象を受けます。公庫の担当者もそこは同じです。
あまり固くならずにリラックスして、事業に対する思いがあれば熱く語ってください。

面談で質問される項目は次ですから、あらかじめ答えをメモしておくと良いでしょう。

面談での質問 事前準備
創業、開業の理由 事業には忍耐も必要ですし、顧客からの信頼も必要です。 簡単に投げ出すような人物は借入金の返済もままなりませんから、誠実に事業に取り組む姿勢を見せて下さい。 事業にかける思いが伝わるように考えをまとめておきます。
事業の経験や社長の強み 創業、開業する事業の経験が豊富であれば、成功する確率は格段に高くなります。 面談者は、全ての事業の精通者ではありませんから、経験豊富である人を基本的に信用します。さらにその中で実績を上げた人物であれば、なおのこと信頼します。 もし実績に若干自信がなかったとしても、経験や営業実績など少しでも関わりあいがありそうな情報を整理しておくと有利です。
自己資金の出所 自分で預金した、退職金をもらった、などその出所を説明します。他から援助されたお金があれば返済不要であることを証拠を提示して説明します。自己資金については、次の項目を参照してください。
(該当者)
クレジットやローンの返済
カードローンなどの残高は照会されて把握されています。
個人の生活費が不健全だと疑われると、借入金の流用や返済能力の不安から融資を断られえる可能性が高まります。 事業の資金繰りとあわせて、個人の借入もきちんと返せる計画であることを説明できるようにします。
通帳の入出金で不審な内容はなか 通帳を見るとどこから収入を得てどう使っているのか、簡単に把握できます。金遣いが荒いと資金管理能力が低いと疑われます。 特に、税金、公共料金の未納があれば借入はできないので、未納を解消して下さい。
売上と経費の内訳と根拠 面談担当者は、売上や経費については多くの会社を審査しており経験が豊富です。 その業界の標準値に近い数字であればそのような説明で足りますが、かけ離れた数値を使っている場合は、しっかりとした根拠を用意してください。
資金繰り表 借入金の使途とその返済までの流れは説明できるようにします。
使途については、設備にいくら、仕入れや経費にいくらと項目だて説明します。 返済については、売上と入金の見込み、次の仕入れや経費に回す金額がいくらと、流れがつかめるように説明します。
お金を貸す側は、返済してもらうまでが仕事です。当然最も注目する項目です。
商品やサービスの具体的な内容、ビジネスの流れ 面談者は、必ずしも事業に詳しいわけではありません。特にハイテク系やIT系については、ほとんど知らない可能性があります。どこから収入を得て成り立つビジネスか面談者の理解が足りないと、借入の必要性にも疑いをもたれてしまいます。あなたのために積極的な説明して下さい。
マーケットの状況と事業の差別化戦略 今あるマーケットを地域的に把握し、その中でどのように差別化して強みを生かしていくか、具体的に説明します。最も受け入れ易い差別化は低価格戦略です。未開拓のマーケットを攻めるという説明は理解してもらえません。
潜在顧客リストの有無、ある場合はその信頼度 潜在顧客リストとして提示した資料は裏付け確認のため、具体的にどういう関係かなどするどい質問がされます。 インターネット販売など不特定多数向け事業であれば、過去に実績を上げた手法や営業実績をアピールします。
開業場所(予定を含む) 自宅でも持ち家でかつ事業に支障がなければ構いませんが、賃貸住居やレンタルスペースでは、借入できません。