5 利益計画の作成

ここでいう利益計画は損益計画書ですが、事業計画書の会社の順調な成長を示すために作成します。
借入のための損益計画書では、長期的に黒字になっている必要があります。
いいかえれば、毎期の利益が黒字となるように、売上と仕入、経費を配分します。

損益計画は、事業計画を数字に反映したものですが、ある期が赤字となれば事業計画に戻って見直しします。
このプロセスを何回もやり直すことでようやく事業計画書も定まるのです。

損益計画には根拠が求められます。
「売上が計画初年度から大きく増加しているのは何故でしょう?」
聞かれても答えられなければ、実現可能性が低いとみなされます。

損益計画には整合性も必要です。
商品販売の場合、売上が伸びた年の仕入れ原価は増えていなければ不自然です。
営業員の数と人件費はあっているか、社会保険費用もきちんと入っているか
販売促進費に対して売上の増加割合が過大ではないか
など

実現可能で整合性がとれた損益計画になるまで何度も見直し、見直しは事業計画に反映し、再度損益計画を修正する、このプロセスを何回も繰り返すのが通常の作業です。
損益計画は、主に次で構成されます。

科目 内容
売上 商品であれば数量と単価をそれぞれ見積り、数量×単価で計算します。サービスであれば客数と客単価で同様に見積ります。
売上原価 売上に直接必要な費用です。製造原価や仕入原価です。単価は業界平均値と比較します。
人件費 (販管費の内訳項目)営業や管理社員の給与と社会保険費用です。人数は積上げします。
減価償却費 (販管費の内訳項目)設備や製造装置、高額備品の経年劣化による費用計上です。個々に積上げします。
販売促進費 (販管費の内訳項目)広告宣伝費、交際費などです。個々に積上げします。
賃借料 (販管費の内訳項目)事務所、店舗、地代などです。個々に積上げします。
その他販売管理費 (販管費の内訳項目)運送費、水道光熱費、通信費などです。業界平均値と比較します。
営業利益 <売上-売上原価-販売管理費>で計算した利益です。 反復継続する営業活動から生みだされる利益です。
営業外収益 営業活動ではないが、受取利息など経常的に発生する収益です。
営業外費用 営業活動ではないが、支払利息など経常的に発生する収益です。
経常利益 <営業利益+営業外収益-営業外費用>で計算した利益です。
毎期継続して稼ぐ力を示します。借入の利息を支払っても利益が出ているかどうかわかるため、銀行はここに注目しています。
法人税等 法人所得にかかる税金です。実効税率は約30%で計算します。
当期利益 法人税等を引いた最終利益です。