1 損益計算書の着目ポイント

借入金イメージノートと鉛筆

それでは決算書のうち損益計算書から見ていきましょう。

損益計算書は、確定申告の書類の中に入っていますから、手許に用意してください。

借入金イメージノートと鉛筆

損益計算書では、利益を見ます。 利益には4つの種類があり、次のように表示されています。
(一番下)税引き後利益、税引き前利益
(下から2番目)経常利益
(上から2番目)営業利益
(一番上)売上総利益

全ての利益が黒字であれば、損益計算書は問題ありません。
「1-4-2 貸借対照表の着目ポイント」に進んでください。

損益計算書の4つ利益
科目等 説明 赤字の時の対処方法
税引き後利益、税引き前利益 税引き後利益はその会社の最終的な利益です。

税引き前利益は経常利益から一時的かつ特別な損益を加減算した利益です。経常利益が黒字であれば、特別な事情が無い限り黒字です。

特別な事情による赤字であればきちんと説明できれば大きな問題はありません。
経常利益 営業利益から支払い利息等の財務費用引いた後の利益です。

銀行は、借入の利息を払っても利益が出るかどうかという視点でチェックします。 借入では最も重視されます。

赤字は一過性のもので、翌期は黒字化するシナリオを用意して説明します。
(例)事業拡大に向け販売促進費用が一時的に増えた。売上は遅れ気味だが足元では増加傾向であり来季は黒字回復する
営業利益 売上総利益から、営業マンや事務員の人件費、事務所賃料、販売費、管理費等を引いた後の利益です。
 営業利益が黒字なら、本業は健全といえます。 黒字は当然という利益です。
売上総利益 売上から直接原価を引いたいわゆる粗利です。

売上総利益の黒字は絶対条件で、赤字は論外です。

事業の見直しが必要です。原価割れ販売を止めるなど、まずは止血します。

 

損益計算書の中で、最も重視されるのは経常利益です。
経常利益が黒字であれば、税引き後利益が赤字でも一過性のものとして、挽回するチャンスはあります。

経常利益については、銀行は過去も黒字であったかどうかチェックします。
過去がずっと赤字だと、

「いつもは赤字なのに今年だけ無理したのでは?」

と疑われます。
今年からようやく経常利益が黒字化したような場合には、銀行の担当者に「事業が軌道に乗ったため」など根拠を示して説明して下さい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です