[1]最初は少額を借りてきちんと返す
ここでは主に信用金庫・信用組合や地方銀行を念頭にお話します。
信用金庫は、実績を重視します。
借入してものをきちんと返済してきたか、という実績の積み重ねです。
ですから最初は少額の借入をして返済の実績を作ります。
少額の目安は100万円ですが、信用金庫ならば少額でも扱ってくれます。
借りる名目は、例えば次のようなものです。
- 売掛金が入金されるまでのつなぎ融資
- 給与や賞与を払うための運転資金
- 少額の設備や備品、ソフトウェアの購入資金
- 営業強化のためのホームページ作成や広告費用
ひょっとするとあなたの会社は100万円程度の借入は必要ないかもしれませんが、敢えて借りて下さい。
より大きい借入のためには、実績作りも大事です。
[2]返済できる根拠を示せれば、銀行はいくらでも貸せる
決算書は問題なし
返済能力も問題なし
この2つの条件が揃えば、借入はいくらでも可能です。
ではどういうふうにアタックすべきか、もっと掘り下げます。
まずは、次の6項目をメモ書きします。
- 借入金額(いくら借りたいか?)
- 借入利率(どの程度の利率を想定しているか?)
- 借入したい期日(少なくとも2週間程度の余裕をもって)
- 返済の期間(運転資金であれば、2~3年。設備であれば5年以上)
- 資金の使い道(具体的に何に使うか?)
- 現在の借入状況(全ての借入について、上の①~④を整理しておく)
続いて、借入用の資料を用意して下さい。
資料は多いので詳しくは「1-3 借入前の準備」で確認して下さい。
急ぎだが資料が揃っていない場合は、とりあえず決算書だけでもかまいません。
メモ書きと資料を用意したらそれをもって信用金庫・信用組合や地方銀行の担当者に打診してみてください。
もちろん一つに限らず可能性のありそうなところはいくつでも打診します。
融資担当者は暇ではないので、色良い回答は出してもらえないこともありますが、親切な担当者であればどこを直せば融資が可能になるか、教えてくれることもあります。
ところで、融資は可能だが、代わりに社長の不動産を担保に入れてほしいと頼まれることがあります。
過去の融資実績が乏しかった、決算書の内容が良くないなどの原因が考えられます。
他の信用金庫では担保を求められないこともありますから、他の信用金庫も同じ反応か確かめてください。
安易に鵜呑みにしてはいけません。
社長の自宅や不動産を担保に入れなくて済むのであればそれに越したことはないのです。
また、担保に頼っていると、会社の問題点は埋もれたままとなり、次の借入が受けられなくなります。
本来、決算書に問題がなく、会社に返済能力があれば、担保無しで借入は可能です。
決算書の工夫や経営計画で会社を充実させて、担保無しの借入を成功させましょう。