業種にもよりますが、入出金や記帳が多いのであればいちばん近くの銀行が便利です。
しかし取引口座を持っているからといって、借入に有利かというとそうではありません。
融資に積極的かどうかは、銀行の方針によります。
近くの銀行には断られたが、少し離れた銀行は貸してくれた、ということは良くある話です。
会社にとって資金は生命線ですから、貸してくれる銀行かどうかは大変重要です。
貸してくれる銀行を探し出しましょう。
[1]貸してくれやすいのは信用金庫、信用組合
信用金庫や信用組合は、地元密着で小さな会社にもできるだけ応えてくれる親切な銀行です。
かといってどこでも同じように協力的なわけではなく、信用金庫や信用組合によっても積極的なところとそうでないところがあります。
また、信用金庫は業務エリアが決められているので、エリア外だと対応してもらえません。
融資に積極的なところはどこか、税理士に聞いてみることをお勧めします。
税理士は、信用金庫にパイプを持っていることが多いので、紹介してもらうのが手っ取り早いです。
紹介であれば、最初から会社を憶えてもらえるので何かと有利です。
そうでなければ、会社の所在地の周辺にある信用金庫には軒並み打診してみます。
打診してみて好感触の信用金庫なら、いくつでも候補としてください。
打診の方法は、「1-2-2 信用金庫からのお金の借方」を参考にしてください。
信用金庫は、売上や支払の口座として使ってもらえるとより高く評価してくれることがあります。
売上や支払の取引口座を借入先の信用金庫に統一するのは良い対策です。
[2]次に貸してくれやすいのは地方銀行
地方銀行は、各都道府県を代表する銀行とやや小規模な第2地方銀行があります。
信用保証協会との強いパイプがあり、保証付き融資に強みがあります。
信用金庫ほど小回りは効きませんが、例えば、東京に所在する地方銀行や激戦区に所在する地方銀行は、営業にはかなり積極的です。
中小会社は、保証付き融資から入るのが基本ですから、近くに支店があればアタックして下さい。
保証付き融資については、別で説明します。
[3]メガバンクは最後に
メガバンクは、プロパー融資に強みがあります。
保証協会の保証付き融資の限界である1億円超の融資では、メガバンクが金利面で有利です。
業務拡大スピードが早ければ、1億円の借入も早い段階で必要になります。
設立から4年程度でメガバンクから借入れになったケースもあります。
1億以上の資金が必要で、かつ会社の業績に自信があればアタックしてみて下さい。
逆に、メガバンクは少額の融資には対応しないので、中小の会社が申し込むと高利なビジネスローンを案内されることがあります。
ビジネスローンは信用金庫よりもかなり高利ですから、信用金庫を利用した方がよほど有利です。
なお、メガバンクは業績が落ち込んだ時の見切りが早いです。
メガバンクから借入できた場合でも、既につきあいのある信用金庫や地方銀行との借入は切らずに継続してください。
本当に困ったときに備えて、つきあいのあった銀行との取引は止めないことはる意味、保険になります。
[4]ノンバンクは最低限に
信用金庫を始めすべての銀行は税金や公共料金の滞納があると融資しません。
鶏と卵ではないですが、税金を払ってさえすれば借入が受けられるのに、少しの滞納でも見逃してもらえません。 この場合は仕方ないのでノンバンクから借りてでも税金や公共料金を完済してください。
この他にも時間的に間に合わなくてノンバンクから借りることがあるかもしれません。
その後に、信用金庫から借り換えできれば大きな問題はありません。
但し、ノンバンクであっても消費者金融や商工ローンの借入は止めましょう。
無理な金利で借りると、事業がまわらなくなります。